自宅で楽しむ静かな夜

行動制限が終わると、人々はすぐに、最も恋しかったものへ戻っていった。旅行、外食、コンサート、友人との集まり、そして感染状況を気にせず一日を外で過ごすことだ。しかし、自由時間の使い方まで2019年の形に戻ったわけではない。数年のあいだに、日常的に選ぶ娯楽の種類そのものが変わり、何より「どう選ぶか」が変わった。

その変化は日本でもよく見える。オフラインの生活は回復したが、COVID-19の時期に生まれたり、利用が増えたりした習慣の多くは残った。旅行は再び最も一般的な余暇活動になった一方で、動画、ゲーム、デリバリー、自宅での趣味、一人で過ごす時間も消えてはいない。以前の生活に戻ったというより、古い過ごし方と新しい過ごし方が混ざり合ったと考えるほうが近い。

旅行には戻ったが、以前と同じペースには戻らなかった

最も分かりやすいのは旅行だ。日本生産性本部の「レジャー白書2026」によると、国内観光旅行は4年連続で最も参加率の高い余暇活動となり、2025年には47.7%が参加した。高い数字ではあるが、パンデミック前にはまだ届いていない。2019年は54.3%だった。

外で楽しむ他の活動にも似た傾向がある。日常的な食事を除く外食は39.5%で2位に上がり、映画、旅行、散歩、イベントも再び日常の一部になった。一方で、一人が年間に行う余暇活動の種類はまだ完全には戻っていない。2025年は平均10種類で、2019年の12.3種類を下回った。

ここには興味深い変化がある。人々は再び積極的に外出しているが、以前と同じ数の予定で自由時間を埋めようとはしていない。パンデミックを経験したことで、「土曜日だから何となく出かける」といった自動的な行動が一部減ったとも考えられる。家に本当に楽しめることがあるなら、それはもう外出できなかった時の代用品ではない。

動画配信はロックダウン後も残り、映画の代用品ではなくなった

行動制限中にオンライン娯楽が伸びた理由は分かりやすい。外でできることが少なかったからだ。しかし、映画館やライブ会場、レストランが再開すると、オンラインの各ジャンルは同じ動きをしなかった。

Cross Marketingの調査では、パンデミック中に録画・録音済みの動画や音声を利用した人は37.4%、ライブ配信は27.4%、スマートフォン向けアプリゲームは26.8%だった。制限解除後、オンラインコンサートの利用は減少した。実際のライブが戻れば、画面越しの代替手段を選ぶ必要が減るからだ。一方、録画済み動画、SNSでのコミュニケーション、スマートフォンゲームでは、利用頻度の大きな低下は見られなかった。

この違いは重要だ。オンラインコンサートは実際のイベントの代替だったため、会場が戻ると一部の人は離れた。しかし、配信ドラマ、短い動画、モバイルゲームは何かを完全に代替していたわけではなく、自分自身の居場所を余暇の中に作った。「レジャー白書2026」でも、レンタルや動画配信を含む動画鑑賞は36.4%で3位に入り、国内旅行、外食に続く主要な余暇活動となっている。

その結果、自宅で過ごすことは「どこにも行けなかった夜」を意味しなくなった。金曜日は外食、土曜日は旅行、日曜日の夜は家でドラマを見る。今ではどれも同じように普通の休日の過ごし方である。

自由時間は「一晩まるごと」を必要としなくなった

もう一つの変化は、何をするかではなく、余暇の大きさそのものにある。以前は映画、ゲーム、友人との集まり、旅行といった活動には、ある程度まとまった時間が必要だった。準備をし、移動し、数時間を過ごし、帰宅するという流れがあった。スマートフォンは多くの娯楽を短くした。10分あれば、短い動画を何本か見ることも、ゲームを1回遊ぶことも、友人とメッセージを交わすことも、配信の一部を見ることもできる。

ゲームは、この変化がどれだけ定着したかをよく示している。2024年の日本の調査では、家庭用ゲームを月に1回以上遊ぶ人のうち31%が毎日プレイし、22%は2〜3日に1回遊んでいた。合わせると半数以上のアクティブユーザーがかなり高い頻度でゲームに戻っている。しかも、その頻度は過去4年間で大きく変わっていない。パンデミック時の増加が、そのまま急減したわけではなかった。

同じ考え方は娯楽以外にも広がった。一晩のうちに食料品を注文し、友人に返信し、動画を見て、次の旅行の切符を探し、またゲームに戻ることができる。それを5つの別々の予定として意識する人は少ない。パンデミックがこの生活を生み出したわけではないが、それが当たり前になる時期を大きく早めた。

一人で過ごす時間は「仕方のない孤立」ではなくなった

ロックダウン中、一人でいることは制限として感じられやすかった。会えない、旅行できない、集まれないという状況だったからだ。しかしパンデミック後は、一人の時間に対する見方も変わった。休日の一部を誰とも会わずに過ごしたいという気持ちは、選択肢がないからではなく、自分で選ぶ過ごし方として受け止められるようになっている。

Cross Marketingの自由時間に関する調査では、60%以上が、休息すること、心身の疲れを回復すること、ストレスを減らすこと、一人の時間を持つこと、趣味を楽しむこと、落ち着いて食事をすることなどを重視していた。しかも、こうした意識は2021年と比べて高まっている。2024年の別の調査ではさらに分かりやすく、平日・休日を問わず「自分一人で自由に使える時間を増やしたい」「どちらかといえば増やしたい」と答えた人は87%に達した。

もちろん、「一人で過ごす」は家にいることと同じではない。映画やゲームを楽しむ人もいれば、郊外へ出かける人、カフェへ行く人、街を歩く人、自然の中で過ごす人もいる。変わったのは場所ではなく、その過ごし方に対する評価だ。予定や交流で埋まっていない休日でも、それだけで「充実していない」とは見なされにくくなった。

街に戻った休日の人々

パンデミック後に本当に残ったもの

個々のサービスだけを見れば、すべて元に戻ったようにも見える。レストランには客が戻り、国内旅行は統計でトップに立ち、コンサートや映画館もコロナ対策の制限なしで営業している。さらに、日本の余暇市場は金額ベースですでにパンデミック前を上回った。「レジャー白書2025」によれば、2024年の市場規模は75兆2030億円まで拡大している。

しかし、市場が回復したからといって、習慣まで元に戻ったわけではない。最も長く残った変化は、特定のアプリではなく、自由時間の使い方そのものに表れている。

  • 自宅で過ごす夜は、他にすることがない時の代替案ではなくなった。
  • 動画やゲームはテレビ番組の時間や、まとまった数時間から切り離された。
  • 旅行やイベントは戻ったが、一人が選ぶ余暇活動の種類はCOVID-19前より少ない。
  • 短い娯楽が、仕事、家事、コミュニケーションの合間に入り込むようになった。
  • 一人で使える時間そのものが、孤立ではなく一つの価値として見られるようになった。

パンデミックは「オフライン」と「オンライン」の境界線だったわけではない。むしろ短期間のうちに、それまでとは違う自由時間の使い方を何十通りも試すことになった出来事だった。人と直接会えるようになり、再び旅行できるようになるとすぐに消えたものもある。一方で、それまでの習慣より便利だったものは残った。

だから現在の余暇は、ロックダウンの延長でも、2019年への完全な回帰でもない。私たちは再び旅行をし、映画館へ行き、同じテーブルを囲んで人と会っている。それでも、良い夜を過ごすために必ずどこかへ出かけなければならないとは、もう考えていない。さまざまな過ごし方をその時々で切り替えられる自由こそが、パンデミック後に最もはっきり残った変化なのだろう。